会社員で年収500万あれば副業や年金対策として不動産投資は選択肢に、ただし都心・中古・ワンルーム(1R or 1LDK)なワケ

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東京都心の町並み

私はこんなサイトを運営しているくらいなので不動産がすごく好きです。

基本的に、新築マンションが好きなのですが、それだけでなく不動産投資にも興味があります。

実際、不動産投資は自分でやろうとしたことがあったのですが、物件を探す時間がなかなかとれず、今のところ踏み出せていません。

ただ、REIT(リート)にはそれなりのまとまった額を投資していますので、賃料収入が原資となる分配金を得ています。

REIT(リート)のいいところは、1本買うだけでその道のプロが選んだ複数の物件に分散投資できるところです。

ただ、REIT(リート)の平均利回りは4%前後ですし、銀行からのローン(借り入れ)を使って買うことができないので、REIT(リート)への投資だけで会社員を辞めるほどの資産形成は難しいという印象です。

「自分の余裕資金=投資可能額」となるので、現時点で数百万程度の余裕資金しか持っていない人にとっては、年間で受け取る分配金はお小遣い程度にしかならないかもしれせん。

1000万円を投資しても年間分配金は40万ほどなので、分配金を再投資しながら10年間保有しても10年後には1480万円ほどにしかなりませんので、人生が変わるほどの影響力は持ちません。

仮に、キャッシュで1億円をREIT(リート)に投資できる人なら、利回り4%で年間400万円の分配金が入ってくるので、分配金を再投資していけば数年で脱サラできるほどの資産をREIT(リート)のみで形成できそうですが、株価が低迷すれば含み損を抱えることになります。

東証REIT指数の過去10年株価推移

一方、同じ不動産を使った資産形成である不動産投資の場合、今現在まとまった資金を持っていない人でも、所属している会社の信用で銀行からお金を借りて始めることができます。

つまり、今現在「持たざる者」だとしても、銀行ローンというレバレッジを使うことで「持つ者」と同じ戦略をとって戦うことができるということです。

サラリーマンやOLをしながら、副業不動産投資で脱サラできるほどの資産を形成した人は、この「所属している会社の信用」を上手に使っている人と見ることができます。

どんな領域でもそうですが、自分ひとりの力なんてたかが知れています。優秀な人ほどそれを理解しています。

人生をスケール(拡大)できている人に共通するのは、自分の努力だけでなく「所属している会社の信用」や「銀行(他人)のお金」といった自分以外の力を効率的に使っているところです。

一時期話題になった新築タワーマンションを買い換える度に資産を増やしている「空中族」と呼ばれた人たちも、「所属している会社の信用」「銀行(他人)のお金」「大手デベロッパーのブランド力」といった自分以外の力を上手に使って富を形成していると見ることができます。(※新築マンション価格が高値圏にある今となっては空中族で富を築くことは難しいと思いますが。)

家賃収入は景気の変動を受けづらいため不動産は底が固いアセットクラス

いずれにせよ、日本では銀行が個人にまとまった金額を貸してくれるのは不動産を買う時のみです。

そして、変な物件を掴まなければ、不動産は非常に底が固いアセットクラスでもあります。

家賃は株価のように上がったり下がったり日常的にしません。(ボラティリティ=変動幅が低い)

東京23区のマンション家賃推移

上のチャートは株式会社三井住友トラスト基礎研究所が公表している「過去10年(2009〜2018年)の東京のマンション賃料推移」ですが、アベノミクス初期の2014年Q1前後から東京23区の家賃が上昇傾向にありますが、先程の東証リート指数に比べると緩やかな動きをしています。

仮に、この先、○○ショックのような世界的な金融危機が起こっても、需要のあるエリアの不動産価格はあまり影響を受けません。なぜなら、どんな世の中になろうと住む家は必要ですし、引越はお金も手間もかかるからです。

○○ショックが起こると株価は暴落しますが、家賃はそのままです。

「○○ショックが起きたので家賃を1万円安くします」なんて話は私は聞いたことがありません。家賃が下がる時は空室が埋まらない時のみです。(ただし、法人の社宅契約が多い高級賃貸は景気の影響を受けやすいです)

米中冷戦で世界経済の不確実性が増すと、時価総額世界トップクラスのグローバル企業でさえ株価は大きく下落しますが、家賃は下落しません。

日本では家賃が大きく上がることもなければ、大きく下がることもない。

この不確実な時代において「賃料収入の先の読みやすさ」は不動産投資のメリットの1つだと思います。

実際、リーマン・ショックのような大きな金融危機が起こると、賃貸マンション経営はディフェンシブアセットとして注目される傾向があります。

不動産投資は忙しい会社員の副業として最適

また、不動産投資は副業にあたらないことが多いので、副業禁止の会社に勤めているサラリーマンやOLでも公に行いやすい副業になります。

実際、副業規制がある公務員でも不動産投資をやっている人は多いです。公務員なら年収はそれほど高くなくても安定しているので、銀行ローンが付きやすいという傾向があります。

また、上場企業に勤めている会社員も、会社の社会的信用度が高いため(=会社が潰れにくいため)公務員同様に銀行ローンが付きやすく、良い条件で借りられる傾向があります。

また、不動産投資のいいところは、買った後はそれほど手がかからない点です。

毎日、何かしらの作業が必要になることはないので、比較的ほったらかしにできます。

つまり、本業に集中でき、本業に支障が出にくい副業、プライベートの時間も充実させることができる副業と言えます。

実際、多忙を極めるお医者さんも副業や資産形成として不動産投資をやっている人は多いです。

手間がかからないため、昔ながらの保守的な企業に勤めている人でも、「あいつは仕事もやらずに副業をやっているらしいよ・・・」「あいつはたいした数字も出してないないの副業か、迷惑だから会社辞めればいいのに・・・」といった陰口を同僚や上司に叩かれないで済みます。

不動産投資は年金対策(将来のお金の不安対策)としても有効

2019年6月3日、金融庁は「人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書」の中で95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示しました。

これはつまり、公的年金制度にだけ頼っていては老後(退職後)に生活費が足りなくなるということです。

平均的な収入・支出の家庭では、男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦が年金収入のみに頼った場合、毎月約5万円の赤字が出ると推計しています。

そもそも、日本の年金制度は1959年に始まったもので、当時の平均寿命は65歳ですから、前提が狂うのは当然と言えば当然です。

不動産投資はこの年金対策の1つになり得ます。

銀行ローンの返済がある間はそれほどキャッシュフロー(入ってくる毎月の家賃 – 毎月の銀行ローンの返済 – 毎月の諸費用)が出ませんが、ローンを完済すると「入ってくる毎月の家賃 – 毎月の諸費用」となるので、一気にキャッシュフローが増加するからです。

家賃8万円のワンルームを1つ保有していれば、ローン完済後には毎月5万円を超えるキャッシュフローが入ってくるので、先程の「毎月約5万円の赤字」を補填できます。

日本の年金制度は「賦課方式(現役世代から集めたお金を年金受給者に配る方式)」なため、少子高齢化が進むほど年金財源が足りなくなる仕組みになっています。

そのため、若い人ほど、日本の年金制度に不安を抱えています。

そのためか、最近では20代で不動産投資を始める若者が増えているそうです。

年収500万円以上という大前提

私は全ての会社員が不動産投資をやるべきとは思っていません。

むしろ、年収500万円以下の人は副業に手を出す前に、目の前の仕事を頑張って年収を上げるべきと思っています。

今の会社で年収アップが望めないなら、年収アップが望める会社に転職することも視野に入れるべきと思っています。

そもそも、年収500万円はないと、不動産投資をやるにしても銀行のローン審査に通りづらくなります。

副業や年金対策として会社員が不動産投資をやるなら、年収500万円以上というのが大前提だと思った方がいいです。(家賃を払う必要がない実家暮らしだったり、貯蓄がそれなりにあるなら通る可能性はあります)

また、銀行審査では勤続年数も見られます。できれば3年以上、少なくても1年以上は必要です。

転職すると勤続年数がリセットされてしまうので、転職する前に不動産投資を開始した方がいいです。

まとめると、「年収500万円以上」「勤続年数1年以上」という条件が銀行のローン審査には必要となるスペックということです。

逆に、「年収500万円以下でもOKです!誰でも不動産投資ができます!」などとうたっている業者は怪しいと思った方がいいです。少なくとも、私なら近づきません。

不動産業界や金融業界は大きなお金が動くぶん、「売り手だけは確実に儲かるけど、顧客はたいして儲からない案件」を平気で売ってくる人たちも少なくありません。

そういう業者にとって、情報弱者はカモです。

ゆえに、我々投資家もそれなりの知識武装(=勉強)が必要となります。

なぜなら、投資活動については義務教育で教わらないので、自分で勉強するしかないからです。

私が手を出しちゃダメだと思った不動産投資

私は過去に何度か不動産投資セミナーに参加したことがあります。大家さんが主催のものから業者が主催のものまで有料・無料のセミナーに参加してきました。

先日もとある会社でお話を伺いました。(後述します)

不動産投資に関する本も50冊は読んでいると思います。

私が様々なセミナーに参加し、不動産投資をやっている人に実際に話を聞き、本で勉強した結果、「私が手を出しちゃダメだと思った不動産投資」というものがいくつかあります。

私がやる価値を感じない不動産投資
  1. 新築ワンルーム投資
  2. キャッシュフローが出ないのに「節税になる」ことを強調する業者
  3. 「団体信用生命保険が付く」ことを強調する業者
  4. 「家賃保証」や「サブリース」をうたっている業者
  5. 過去にやたらと社名を変更している会社
  6. 東南アジアなどの海外不動産投資
  7. タワマンの一室を投資用として買う

投資に対する考えは人それぞれですが、私が考える上記の不動産投資がダメだと思う理由を1つずつ説明したいと思います。

新築ワンルーム投資 ×

新築ワンルームは販売会社の利益がどっさりのっており、価格がすでに高い傾向があります。

新築なので最初の数年は見込んだ家賃が取れても、時と共に建物は古くなり、家賃も徐々に下がっていき、購入時の想定通りにいかないことも多いようです。(後ほど詳しく説明します)

その結果、キャッシュフロー(入ってくる毎月の家賃 – 毎月の銀行ローンの返済 – 毎月の諸費用)がプラスにならずに、銀行ローンの返済が持ち出しになるということもあります。

また、どこで電話番号を知ったのかいつも疑問になりますが、いきなりかかってくる電話営業が多いのもこの新築ワンルームマンション投資の営業です。

電話営業という荒業をしないと売れない代物と見ることができます。

キャッシュフローが出ないのに「節税になる」ことを強調する業者 ×

キャッシュフロー(入ってくる毎月の家賃 – 毎月の銀行ローンの返済 – 毎月の諸費用)が出ない物件に投資価値はありません。

つまり、「入ってくる毎月の家賃」で「毎月の銀行ローンと諸費用の支払い」をした後に手元にお金が残る物件でないと投資価値はないということです。

当たり前のことですが、不動産投資業界では初月からキャッシュフローがマイナスになる物件がなぜか売られています。。

新築ワンルームマンション投資に多い印象です。

キャッシュフローがマイナスになるということは、「入ってくる家賃」よりも「毎月の銀行ローンの返済」や「諸費用」の方が多いということです。

つまり、銀行ローンの一部を自分の貯金から持ち出す必要がある物件ということです。

なぜこのようなことが起こるかと言うと、物件価格が入ってくる家賃に対して高いからです。

おそらく、売り手の利益が物件価格にどっさり乗っているのでしょう。

私は最初、こういった物件を買う意味を理解できなかったのですが、こういった物件を販売している業者に限ってやたらと「節税になる」ことを強調します。

そもそも、キャッシュフローがマイナスになるから節税になります。

本業の収入から不動産投資のマイナス分を引くと課税所得が減るので、そのぶん税金も減りますが、そもそも収入を増やすために不動産投資をやるのに、減らす意味が私には全く理解できません。。

収入が増えたら税金も増えますが、そのぶん手残り(収入 – 税金)も増えます。

収入が減ったら税金も減りますが、そのぶん手残り(収入 – 税金)も減ります。

収入が増えても税率が50%を超えない限り、以下の「所得税の速算表(平成27年分以降)」を元に計算した表のように収入の増加に比例して手残り(=自分の手元に残るお金)も増えるのです。

所得税の速算表(平成27年分以降)を元に計算
課税所得 税率 控除額 税額 手残り
300万円 10% 97,500円 202,500円 279万7500円
500万円 20% 427,500円 572,500円 442万7500円
700万円 23% 636,000円 974,000円 602万6000円
1000万円 33% 1,536,000円 1,764,000円 823万6000円
2000万円 33% 2,796,000円 3,804,000円 1619万6000円

上記のように所得が増えると税額も増えますが、手残りも増えています。(手残り=課税所得 × 税率 – 控除額)

ビジネスでも副業でも最終的に手元に残るお金にフォーカスを充てないとお金は増えていきません。

また、減価償却できるから節税になるという言い分もよく耳にしますが、減価償却は「税金の支払いの先延ばし効果」はありますが、償却期間が終わったらどーんと利益が出るので、その時にどーんと税金も増えます。

減価償却は税金を減らせるわけではなく、税金の支払いを先延ばしできるだけです。(償却期間中はキャッシュリッチでいられるというメリットはあります)

いずれにせよ、キャッシュフローがプラスにならない物件に私は投資価値を見い出せませんので、「節税になる」という理由でキャッシュフローがマイナスになる投資物件を買うのは間違っていると思っています。

「団体信用生命保険が付く」ことを強調する業者 ×

「節税になる」ことを強調する業者に多いのですが、同時に「団体信用生命保険が付く」こともやたらと強調してきます。

住宅ローンでも投資用マンションローンでも、銀行ローンを組む時に団体信用生命保険という死亡保険(返済者の死亡時に返済が免除されるのでローン残債が残された家族に残らない)が付いてきますが、保険なら別途で安い保険に加入すればいいだけです。

保険のために、キャッシュフローがマイナスになる物件に投資する価値なんてありません。

不動産投資で唯一重視すべきことは、キャッシュフローがプラスになることです。じゃないと、収入は増えないからです。

「家賃保証」や「サブリース」をうたっている業者 ×

昨今、ニュースを賑わしている不動産投資の失敗で多いのが「家賃保証」や「サブリース」をうたっている業者の物件です。

「家賃保証」と聞くと、それはプラス面のように感じるかもしれませんが、「家賃保証しないと誰も買ってくれない物件」と私は解釈しています。

人気の物件なら「家賃保証」しなくても売れていきますから。

「家賃保証」と同時に「サブリース(サブリース会社がオーナーから物件を一括借り受けして運用)」をうたう業者もありますが、保証された家賃がいつまでも続くことの方が少ないような印象があります。

実際、空室期間が長引いたら保証していた家賃を下げるということは多く行われています。

というわけで、私の場合、以下のフレーズをうたっている業者(強調している不動産業者)には近づかないようにしています。

  • 新築ワンルームマンション投資
  • 節税になる
  • 団体信用生命保険が付く
  • 家賃保証
  • サブリース

ちなみに、上場企業でも上記のビジネスモデルを行っている会社はいくつかあります。

つまり、「上場企業だから安心」ということはない業界ということです。

むしろ、「顧客を安心させるために上場しているのではないか?」と私は勘ぐってしまいます。。

過去にやたらと社名を変更している会社 ×

上記のビジネスモデルを採用している不動産会社は過去に何度か社名を変更している会社があります。

上場している企業でも、過去に社名を変えている会社があります。

インターネット社会になってから、過去にやったきたことが悪い評判としてネット上に残ってしまっているので、社名変更したのだと思われます。(デジタルタトゥー対策)

そういった会社の物件は、当然買いたいとは思いません。

社名が変わっても、中の人は変わっていないからです。

東南アジアなどの海外不動産投資 ×

昨今、日本の停滞論から海外の不動産(コンドミニアム)を買う人も増えているようです。

最近だと、経済成長が続く東南アジアのコンドミニアム投資が日本人の間でも人気になっており、マレーシアやフィリピン、タイ、ベトナム、カンボジアなどの不動産投資の本も多く出版されています。

私も旅行ついでにいくつか内覧したことがありますが、東南アジアのコンドミニアムはデベロッパーの利益がかなり乗っているためか、販売価格が思っていたよりも高いという印象を受けました。

実際、キャピタルゲイン目的で買ったけど、想定していた価格では売却できず、購入価格とほぼ同額で売却して為替差益でなんとかプラスにできたという話も聞いたことがあります。

まるで、不動産を介したFX取引のようです。仮にk為替差損が出ていたらマイナスになってしまいます。

賃料収入目的で購入するとしても、東南アジアの場合、賃貸に出すには家具はオーナーが用意するのが一般的です。

つまり、物件価格だけでなく家具にかかるコストも加味する必要があります。

私の中では東南アジアなどの海外不動産投資はギャンブル的要素が高いと感じました。

国の成長も保証されたものではありませんし、為替動向は全く読めませんし。

うまくキャピタルゲインを得られた人もいるかもしれませんが、長期で安定的な賃料収入を得て将来に備えるという目的とは違ってきます。

タワマンの一室を投資用として買う ×

このサイトで公開しているように、私は過去に複数のタワーマンションを内覧しています。

内覧して気づいたことなのですが、中には投資用としてタワマンの1室を買っている人もいます。

つまり、自分で住むのではなく、賃貸に出すことを前提にした購入です。

タワーマンションは駅近など立地の良い場所に建つ傾向があります。

売り手も大手デベロッパーなのでブランド力や企画力があり、セキュリティや共有施設も非常に充実しています。

そのため、同じ広さでも、普通のマンションよりも家賃を高くできます。

ただし、好立地のため固定資産税は高い傾向にありますし、共有施設が充実しているため管理費も高いですし、大規模物件なので修繕積立金も普通のマンションよりも高いです。

つまり、高い家賃はとれるけど、そのぶん維持費も高い傾向にあります。

さらに、アベノミクス以降、都心のタワーマンション価格はかなり上がっています。

そのため、いまタワマンの一室を投資用として買ったとしても、たいした利回りは出ないと思われます。

ただし、安く販売された時はタワマンの一室を投資用として買うのはありだと思います。

というのも、私は以前、大手デベロッパーのタワーマンションに賃貸で住んでいました。

2005年ごろに販売されたタワマンで、その頃はマンション価格がすごく安かったのです。

私はちょっとした機会があり、私が賃貸していた部屋の販売価格を知ったのですが、「(家賃 x 12ヶ月)÷ 販売価格」で利回りを計算すると8%ほどでした。

さらに、その部屋をいま売却したら、買った値段よりだいぶ高い価格で売ることができます。

つまり、その部屋のオーナーはマンション価格が安い時期に、価値が落ちづらい(資産価値が高い)マンションの1室を手に入れたということです。

ただし、資産価値が高いタワーマンションを安く買える時代はとっくに終わっていますし、この先も都心に関しては土地がないので、大規模物件はそれほど建ちません。

そのため、2005年頃のように安く出回ることはもうないと個人的には思っています。

私がやる価値があると思う不動産投資

次に、私がやる価値があると思う不動産投資について書きたいと思います。

それは「都心・中古・ワンルーム(1R or 1LDK)」です。

私がやる価値を感じる不動産投資
  1. 都心
  2. 中古
  3. ワンルーム(1R or 1LDK)

ワンルームだけど、新築ではなく中古です。

なぜなら、中古物件にはデベロッパーの販売時利益が乗っていないぶん、安く買えるからです。

不動産投資で結果(数字)を出すには、キャッシュフローがプラスになる物件をできるだけ安く買うことが重要です。

潤沢な資金を持っている人やお医者さんのような高年収な人なら空室リスクを複数の部屋でヘッジできる一棟モノもありだと思いますが、中古でも価格が数千万から数億になってくるので、普通の会社員には手が出ないと思います。

仮に、銀行ローンが通ったとしても、1億円弱のローンを背負うのはリスクが高いです。

これは実需で買う新築マンションにも言えることですが、自分の収入ギリギリのローンを背負うことは、その後の人生が今までどおり上手くいくことが前提になっています。

しかし、人生というのは山あり谷ありです。その前提が数年で崩れることもあり得ます。

健康を崩して今までどおり働けなくなるかもしれませんし、給料が想定していたように上がらないこともあり得ます。

未来というのは常に不確実であり、だからこそ不動産投資などの副収入で人生をヘッジする意味が出てくるのですが。

最近では、「働き方改革」で残業が減った関係で、年収が大幅に下がってしまったサラリーマンが増えています。

そんな人の中には、ムリめな住宅ローンを組んで実需のマンションを買った人もいます。

先日、NHKで特集されていましたが、残業代をあてにしたローン返済計画だったため、住宅ローンが払えなくなっている人が増えているそうです。

そういった人たちは、せっかく買ったマンションを売却して、その売却資金で住宅ローンを完済するしかありません。

しかし、自分が希望する価格で売れないことも多く、残債が残ってしまうこともあるそうです。

そんな人は親戚からお金を借りて完済しているそうです。

私はこれから不動産投資を始めるならムリな銀行ローンを組むことなく始められる「都心・中古・ワンルーム」に絞って経験を積むべきだと思っています。

なぜ都心・中古・ワンルーム(1R or 1LDK)なのか?

さらに、不動産投資を始めるなら「都心・中古・ワンルーム」なのかについて具体的な数字を使って説明したいと思います。

都心

私の親の時代なら郊外に一軒家を建てて、電車やバスに乗って会社まで1〜2時間かけて通うことは珍しくありませんでしたが、今は職住近接の時代なので、オフィスが多いエリアに通いやすい立地のマンションの需要が高まっています。

当然ですが、日本で一番オフィスが多いエリアは東京都心です。

住民基本台帳人口移動報告

上のグラフは総務省統計局が発表した2017年と2018年の「住民基本台帳人口移動報告」です。

見ての通り、東京都への人口流入が圧倒的に多く、続く埼玉県・神奈川県ですら東京都の1/4、千葉県だと1/8です。

2018年に流入超過となっているのは▲を付けた8都道府県のみです。

一方、地方ではほとんどが人口流出となっています。つまり、都心以外から都心へと人がどんどん流れてきているということです。

また、東京は海外から来る留学生の数でも日本でNo.1です。

2018年 地方別・都道府県別の留学生数(1万人以上のみ)
順位 都道府県 留学生数
1 東京都 114,833
2 大阪府 24,751
3 福岡県 19,296
4 京都府 13,230
5 千葉県 13,084
6 埼玉県 12,097
7 兵庫県 11,146
8 愛知県 10,620
9 神奈川県 10,459

上の表は「独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)」から公表された「平成30年度(2018年)外国人留学生在籍状況調査結果」の「地方別・都道府県別留学生数」から留学生数が1万人以上住んでいる都道府県をランキングしたものです。

こちらも、東京が2位の大阪の4.6倍と圧倒的です。

つまり、東京は留学生の賃貸需要も旺盛ということです。

また、東京は大企業が圧倒的に多いです。資本金10億円以上ある大企業の約50%が東京にオフィスを構えています。

さらに、ここ数年、そして2020年の東京オリンピック後も続く再開発によって、さらに東京には大規模オフィスが増えていきます。

大規模オフィスが増えれば、その周辺エリアでは賃貸需要が増加します。

また、昨今の東京人口流入の影響か、東京にキャンパスを新設・移転する大学も増えています。(大学も東京回帰)

つまり、一人暮らしをする大学生の数も今後は東京に流れる傾向があるということです。

そして、東京で一人暮らしを始めた学生はそのまま東京の会社に勤め、東京で一人暮らしを続けます。

ただし、日本は人口減少国です。

将来推計人口の動向

上のグラフは国土交通省国土政策局が平成30年(2018年)6月に公表した「将来推計人口の動向」です。

このグラフを見ると、日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに、その後は減少し、2050年には1億人程度になると推計されています。

地域別の将来人口推計

しかし、「地域別の将来人口推計」を見ると、東京都は2030年まで人口が増加すると推計されています。

また、2045年でも2015年とほぼ変わらない人口を東京は維持すると推計されています。

このように、日本の人口は減っていくかもしれませんが、東京の人口はこの先25年くらい(2045年くらいまで)はそれほど減らず、そのぶん賃貸需要も維持できると考えられるため、不動産投資をするなら東京の物件が良いと私は考えています。

逆に、地方は利回りは高いかもしれませんが、年々人口が減っていくため、賃貸需要も先細ります。

時が経つにつれ空室リスクも高くなるということなので、時間を味方にした資産形成には向いていないと個人的には思います。

出口(物件売却)にも困るんじゃないでしょうか。

中古

先程も触れましたが、新築マンションはデベロッパー(売り手)の利益がのっています。さらに、広告宣伝費もコストとして大きいです。

一方、中古マンションは新築マンションと比べると約7割の価格で購入可能です。

たとえば、東京都心で3700万円ほどで販売されている25㎡の新築ワンルームマンションは、築15年になると約7割の2500万円ほどで購入可能です。(3800 × 0.7 = 2590)

新築時の家賃が12万円、築15年で家賃が10万2000円(85%=15%下落)まで落ちたしても、以下のように中古の方が利回りが高くなります。

  • 新築:(12万円 × 12ヶ月)÷ 3700万円 = 144万円 ÷ 3700万円 = 0.0389(利回り3.9%)
  • 中古:(10万2000円 × 12ヶ月)÷ 2500万円 = 122.4万円 ÷ 2500万円 = 0.0489(利回り4.9%)
タイプ別築年数別の理論賃料指数(東京23区)

上のグラフは株式会社三井住友トラスト基礎研究所が2013年1月にレポートした「タイプ別築年数別の理論賃料指数(東京23区)」です。

東京23区の「18〜30㎡(1R)のシングル」と「30〜60㎡(1R or 1LDK)のコンパクト」の部屋において、築年数が家賃下落にどれだけ影響しているかを表しています。

株式会社三井住友トラスト基礎研究所はこの調査結果を以下のようにまとめています。

築年数が賃料下落に与える影響
  • 経年による賃料の下落は3つのフェーズ「築3年〜築10年」「築11年〜築20年」「築21年以降」に分けられる。
  • 「築3年〜築10年」の築浅物件は新築物件との競合にさらされ、賃料に一番大きな下げ圧力がかかっている。
  • 「築11年〜築20年」の物件は新築物件の賃料と比較されにくく、賃料への下げ圧力が低下する。
  • 「築21年以降」の物件になると賃料の下げ圧力がさらに低下。特に「18〜30㎡(1R)のシングル」は経年による下げ圧力がほぼ解消される。
  • 築年数によって賃料に対する影響度が異なる。
  • 築0年〜築25年の賃料下落率を平均すると、概ね1%前後と住宅市場関係者の感覚と一致する。

グラフを見ると、築10年くらいまでの家賃下落率が高いので、築10年以降の中古を買うことで、家賃下落のリスクをある程度ヘッジできると言えます。

一方、新築ワンルームマンションは、最初の想定家賃が通用するのは築5年くらいまでと考えるべきであり、さらに価格も高いので、不動産投資をやるなら中古マンションを選ぶべきと考えています。

ワンルーム(1R or 1LDK)

ワンルームと書いていますが、ここでは1Rだけでなく1LDKも含めています。

明確なのは、ターゲットはファミリーではなく単身ということです。

というのも、東京23区の賃貸住宅のうち約7割が単身世帯だからです。

昨今の晩婚化で独身でいる人が増えていますし、高齢化でパートナーに先立たれて一人暮らししているお年寄りも増えています。

さらに、ファミリーになると賃貸だけでなく分譲(マンション購入)も選択肢に入ってきます。

1LDKを含めている理由ですが、それなりの収入がある単身者はリビングと寝室は分かれていた方がいいと考える人もいるからです。

また、1LDKなら家賃を節約したいと考えるDINKS(ディンクス=結婚しているけど子供はいない夫婦)の選択肢にもなり得ます。

2LDKになると家賃がワンランク上がってしまうので、「家賃を払うのはバカらしい」「将来、子供ができたらマンションを買うために節約したい」と考えるDINKS夫婦を1LDKなら吸収できます。

また、需給バランスを考えてもワンルームには強みがあります。

というのも、東京23区みはワンルームマンション開発規制があるからです。

たとえば、中央区の場合「10戸以上の集合住宅では最低面積25㎡で40㎡以上の住戸の合計床面積が全体の3分の1以上に」といったような条例があります。(区によって条例内容は異なります)

参照・出典・関連サイト

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