HARUMI FLAG(晴海フラッグ)、オリンピック選手村にマンション23棟5632戸の新しい街が誕生。分譲価格はいくらになるのか?

Pocket
LINEで送る

以前から「オリンピック選手村は約5600戸のマンション群が建つ」と言われていましたが、2018年10月31日にとうとう詳細が発表されました。

今までは「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」という事業名でしたが、正式名称は「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」に決定しました。

「FLAG」とは「旗(はた)」という意味ですが、NIKKEI STYLEの記事によると「都市生活のフラッグシップ・モデルとなる街を目指す」(三井不レジの野島秀敏・選手村事業部長)との思いが込められているそうです。

「フラッグシップ」とは「旗艦」という意味ですが、ファッションブランドなどでは「旗艦店(=企業やブランドを象徴する店舗、代表する店舗)」という言葉をよく見かけます。

これを踏まえると、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」という名称には「これからの都市生活の象徴となるような街、今後の都市生活を代表するような街」という意味合いが込められていることが伺えます。

後で詳しく触れますが、実際、多くの新しい試みが取り組まれた街となっています。

住まいサーフィン」には早くも3つの街区の物件が登録されていますが、現時点ではまだ「儲かる確率」などの価格に関する情報は掲載されていません。

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の購入を検討しているなら、住まいサーフィンはぜひ登録(無料)しておきたいところです。

私は東京オリンピック後に販売開始かと思っていたのですが、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の販売は2019年5月下旬予定ということで、今から半年後と思いのほか早いです。

2019年のゴールデンウィーク(GW)は4/27(土)〜5/6(月)の10連休なので、もしかしたらゴールデンウィーク(GW)から優先販売される可能性もありそうです。

入居は2023年3月下旬予定なので、販売から入居まで4年弱もあります。戸数といい、様々な意味で異例のマンション販売となりそうです。

売主は以下のように日本を代表するデベロッパーが名を連ねています。

  • 三井不動産レジデンシャル株式会社
  • 三菱地所レジデンス株式会社
  • 野村不動産株式会社
  • 住友不動産株式会社
  • 東急不動産株式会社
  • 東京建物株式会社
  • 大和ハウス工業株式会社
  • 住友商事株式会社
  • NTT都市開発株式会社
  • 新日鉄興和不動産株式会社
  • 住商建物株式会社

HARUMI FLAG(晴海フラッグ)の場所と広さ

HARUMI FLAG(晴海フラッグ)の最大の特徴は、約18ヘクタール(東京ドーム約3.7個分)という広大な敷地をゼロから街づくりする点だと個人的には思ってます。

※六本木ヒルズの開発面積は約11.6ヘクタール
※1ヘクタール=10,000平方メートル=縦100メートル x 横100メートル

通常、新築マンションを購入すると、新築なのは建物のみですが、HARUMI FLAG(晴海フラッグ)では周辺の街並みも新築状態になります。

しかも、その場所は都心3区の1つ「東京都中央区」です。(東京都中央区晴海五丁目)

上の写真のように2018年4月時点ではほぼ更地のような状態です。

東側には住友不動産のツインタワー「DEUX TOURS(ドゥ・トゥール)」が建ち、さらに「勝鬨橋(かちどきばし)」へと続く「晴海通り」の東には三菱地所のツインタワー「ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロ&クロノレジデンス」が建ちます。

そしてその東隣には私が内覧した三井不動産レジデンシャルの「パークタワー晴海」が建設中です。

パークタワー晴海

【内覧】パークタワー晴海、ディズニーランドとコラボした湾岸タワーマンション

2017年6月23日

私は「パークタワー晴海」を内覧し、その後、「ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロ&クロノレジデンスの中古」と「完成後のDEUX TOURS(ドゥ・トゥール)」も内覧したのですが、東京なのにリゾート感溢れる素晴らしいマンションという印象を受けました。

晴海のマンションはどれも駅遠です。

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」も最寄り駅の都営大江戸線「勝どき」駅から徒歩20分ほどの場所にありますが、だからこそ用意できた広大な土地と言えます。

分譲マンションが建つのは公園や海に面した「4街区」「5街区」「6街区」で、中央清掃工場に面した「3街区」のみが賃貸専用マンションとなります。

分譲マンションは全4145戸(板状17棟+タワマン2棟)、賃貸が1487戸(4棟)となり、合計で23棟5632戸の巨大タウンの誕生となります。

仮に1戸につき平均2人が住むとなると1万1264人、平均2.25人なら1万2672人、平均2.5人なら1万4080人、平均3人なら1万6896人もの人口が住む街となります。

3街区の賃貸街区には保育施設やシニア住宅、介護住宅も設置されます。

分譲マンションとして販売される4〜6街区の特徴は以下のようになっています。

4街区
総戸数 686戸(A棟179戸、B棟78戸、C棟78戸、D棟177戸、E棟174戸)
敷地面積 23,633.20㎡
階数 A棟・D棟・E棟:地上18階地下1階
B棟・C棟:地上14階地下1階
専有面積 85.37㎡~152.10㎡(トランクルーム面積0.42㎡~1.58㎡含む)
間取り 3LDK~4LDK
駐車場 313台
自転車置場 770台、サイクルポート170区画
バイク置場 48台
販売予定 2019年5月下旬
竣工予定 2022年秋
入居予定 2023年3月下旬
設計会社 日本設計・長谷工コーポレーション共同企業体
施工会社 株式会社長谷工コーポレーション
管理会社 野村不動産パートナーズ株式会社

4街区は部屋の専有面積が85.37㎡〜と広い部屋ばかりの構成となっています。

5街区
総戸数 1089戸(A棟102戸、B棟277戸、C棟236戸、D棟130戸、E棟150戸、F棟194戸)
敷地面積 37,441.27㎡
階数 E棟・F棟:地上18階地下1階
C棟:地上16階地下1階
A棟・B棟・D棟:地上14階地下1階
専有面積 61.06㎡~116.58㎡
間取り 2LDK~4LDK
駐車場 831台
自転車置場 1639台
バイク置場 95台
販売予定 2019年5月下旬
竣工予定 2022年秋
入居予定 2023年3月下旬
設計会社 三菱地所設計・前田建設工業設計共同企業体
施工会社 前田建設工業株式会社
管理会社 三菱地所コミュニティ株式会社

5街区にはタワーマンション(50階建て)が1棟建ちますが、上記の表の総戸数には入っていないので、タワーマンションの総戸数は733戸になると思われます。(1822 – 1089 = 733)

NIKKEI STYLEの記事によると、タワー棟は東京オリンピック後に建設開始し、完成は24年春予定ということです。

6街区
総戸数 915戸(A棟89戸、B棟194戸、C棟217戸、D棟104戸、E棟148戸、F棟163戸)
敷地面積 35,175.79㎡
階数 B棟・C棟:地上18階地下1階
E棟:地上16階地下1階
A棟・D棟・F棟:地上14階地下1階
専有面積 66.59㎡~108.31㎡
間取り 2LDK~4LDK
駐車場 758台
自転車置場 1380台
バイク置場 102台
販売予定 2019年5月下旬
竣工予定 2022年秋
入居予定 2023年3月下旬
設計会社 株式会社日建ハウジングシステム、三井住友建設株式会社一級建築士事務所
施工会社 三井住友建設株式会社
管理会社 三井不動産レジデンシャルサービス株式会社

6街区にはタワーマンション(50階建て)が1棟建ちますが、上記の表の総戸数には入っていないので、タワーマンションの総戸数は722戸になると思われます。(1637 – 915 = 722)

2棟のタワーマンションの総戸数は1455戸になると思われます。(733 + 722 = 1455)

「みなとみらい」と比較

私は「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」にかなり期待しています。

「マンション」というよりも「街づくり」という意味で期待しています。

というのも、ゼロから街づくりができるので、横浜の「みなとみらい」のように”きれいに整った海沿いの街”が作れると思うからです。

みなとみらいタワーマンション比較〜中古価格、賃貸家賃、立地、駅からの徒歩分数、外観写真、歴史

2017年1月5日

「みなとみらい」を歩くと、「いつかこんな素敵な街に住んでみたい」と思ってしまうくらい、気持ちいい街並みになっています。

そこで、「みなとみらい」と「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の規模感を比較してみました。

横浜みなとみらい HARUMI FLAG(晴海フラッグ)
敷地面積 186ヘクタール
(宅地87ヘクタール/道路・鉄道42ヘクタール/公園緑地46ヘクタール/ふ頭11ヘクタール)
約18ヘクタール
マンション数 12棟
全てタワーマンション、賃貸専用は2棟
23棟
タワーマンションは2棟、賃貸専用は4棟
戸数 4703戸 5632戸
居住人口 1万人(1戸につき2.12人) 1万1939人(予測値)
※みなとみらいと同様に1戸につき2.12人で計算

こうやって数値ベースで比較してみると、戸数と居住人口は同規模ですが、「みなとみらい」はあまり比較対象にならないという印象を受けました。

まず、敷地面積が18倍と圧倒的に「みなとみらい」の方が大きいです。

「みなとみらい」はオフィスやホテル、商業施設も多く、就業人口は19万人と居住人口の19倍です。住む人よりも働く人の方が圧倒的に多い街となっています。

一方、HARUMI FLAG(晴海フラッグ)は商業施設が1つできますが、住む人がほとんどを占める街となります。

いずれにせよ、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」もゼロから街を作るので、「みなとみらい」と同様に歩いているだけで気持ちよくなる一体感のある街並みづくりに期待しています。

そのために避けて欲しいのが、団地みたいな外観のマンションにならず、デザイン性の高いマンションを建ててほしいということです。

というのも、マンションの外観は街の雰囲気を作る大きな要素となるからです。

この俯瞰CGだと、板状マンションが少し団地っぽく見えなくもありません。

晴海ふ頭公園から見た5街区と6街区の完成予想CGです。このCGを見ると、板状マンションの外観もデザイン性が高く見えますし、晴海ふ頭公園からの雰囲気も「みなとみらい」の「臨港パーク」に似たものを感じます。

海に面しているエリアなので、住友不動産が得意としているようなガラスを贅沢に使ったデザインだと海が反射してきれいに見えるのですが。

4街区の完成予想CGです。建物の高さに変化を付けて波を打つようなスカイラインになっています。

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の中心となる「CENTER CORE」という直径が約100メートルもある交差点+広場です。

この「CENTER CORE」を取り囲むように2棟のタワーマンションと商業施設、学校が建ちます。

背の高いタワーマンションを街の中心に、背の低い板状マンションを街の外側に配置することで、街全体に「抜け感」を感じられる空間設計ができます。

このCGは少し団地っぽく見えて残念な感じです。

HARUMI FLAG(晴海フラッグ)は「都市生活のフラッグシップ・モデルとなる街を目指す」ということなので、機能やコンセプトだけでなく、見た目もフラッグシップモデルとなるようなデザイン性の高いものに仕上げてもらいたいです。

ちなみに、HARUMI FLAG(晴海フラッグ)のデザインは光井純さんはじめ日本の建築シーンをリードする気鋭のデザイナー25人が採用されています。

CGと実物は違う場合が多いので、どんな風にまとめてくるのか楽しみです。

空地率50%の緑が多い町並み 〜 海に浮かぶ緑の環境都市

東京のような建物が密集した地域では、緑が豊富な街で暮らすことは非常に贅沢なことになります。

昨今は夏になると、日本も東南アジアかと思うくらい暑くなることが多いですが、東南アジアの国々では暑さ対策として、再開発する際にエリアの何パーセントは緑地にするなどと法律で決められることも少なくありません。

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」は見ての通り、東京でも屈指の緑の多い街となりそうです。

空地率(敷地面積に対して建物が建っていない空地が占める割合)が50.3%なので「半分が建物・半分が空地」ということになります。

公式サイトには「海に浮かぶ緑の環境都市」という表現が紹介されていますが、中央区という都心に住まいながらも、「海」や「緑」といった自然を感じながら生活できそうです。

大きな公園(晴海ふ頭公園)がすぐそばにあるということは、子育て世代にはありがたいことです。

晴海ふ頭公園の再整備工事は2018年9月から2019年12月予定です。

完成したら、晴海ふ頭公園はレインボーブリッジ方面の撮影スポットにもなりそうです。

建物の間にある広場も「パークタワー晴海」に負けないくらい多くの緑でデザインされ、四季折々の風情を感じられそうです。

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」全体では、約100種の樹木により高木樹数が約3000本、中木樹数が約900本が植えられます。

HARUMI FLAG(晴海フラッグ)は三井不動産が得意するとする「経年優化(=建物は時とともに古くなるが、木々や植栽は時と共に育ち豊かになる)」を感じられる街となりそうです。

私が「これは素晴らしい」と思ったのが、歩道が車道よりも広いことです。さらに、歩行者と自転車でしっかり分かれています。

日本は歩道が狭い傾向にありますが、ハワイやロサンゼルスなどに行くと広い歩道に開放感を感じ、歩いているだけで気持ちよくなります。(気候のせいかもしれませんが・・)

蒸し暑いエリアでも、フィリピンの陸軍用地を再開発したボニファシオ・グローバルシティ(BGC)などは、東南アジアとは思えないほど歩道が広く開放感ある街並みにデザインされています。

また、HARUMI FLAG(晴海フラッグ)はランニングやサイクリングにも最適な街となりそうです。

駐車場は地下にあり、地下スペースは街区ごとにつながっている

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」では、駐車場だけでなくカーシェアやEV充電器、車のメンテナンススペースも全て地下にあります。

通常、板状マンションではマンションの裏手などに駐車場スペースがあることが多いですが、地下に持ってきたことで地上のスペースを緑地などに使えます。

また、真夏の車内の高温化、雨が降っても濡れずに車に乗ることができるなどといったメリットもありますし、車の騒音にも悩まされずに過ごせそうです。(街の騒音の大半は車です)

上の写真は平置きですが、機械式がほとんどとなっています。

3〜6街区の駐車場の数は全部で2200台超となっています。

地下スペースは街区ごとにつながっており、宅配車やゴミ収集車も地下駐車場に止められますし、来客用駐車場もあるので、地上の道路は路上駐車が少ない街になりそうです。

このあたりの構成や導線は、街全体をゼロから作り上げるからこそできるメリットと言えます。

商業施設と小学校&中学校

5街区と中央清掃工場の間にある7街区には地上3階・地下1階の商業施設が2022年にできます。

スーパーだけでなく、生活利便施設も誘致予定ということです。

晴海は外食できるところが少ないので、フードコートやレストラン、カフェなどがもっと増えて欲しいところです。

どんなに緑豊かな街でも、食生活が充実していないと心が満たされません。

6街区と3街区(賃貸エリア)の間には小中学校ができ、プールや武道場、体育館、校庭、ランチルーム、屋上運動場などは地域に開放される予定となっています。

上記の3枚の画像は中央区「晴海地区新設小学校中学校建設準備協議会」からの2018年10月2日時点の会議概要の情報です。

また、3街区(賃貸エリア)には保育所やシニア住宅、介護住宅も設けられる予定です。

共用スペースは全51室、うち25室は街区をまたがって利用可能

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」には51室もの共有スペースがあり、そのうち25室は居住する街区に関わらず誰でも利用することが可能です。

そういう意味では、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」内の一室を買うことは、マンションの部屋という「点」だけでなく、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」全体としての「面」を購入するという意味合いも持てそうです。

分譲マンションが販売される4〜6街区は以下のようなテーマに分かれています。

  • 4街区:海辺のすこやかな暮らし
  • 5街区:人と自然がつながる生活
  • 6街区:街の中心で交わる人と人

「51室もの共有スペースにはどんなものがあるのだろう?」と思ったのですが、現状で公式サイトに公開されているものには以下の共有スペースがあります。

  • KODOMO PLAZA:雨の日も子どもと思いっきり遊べる
  • CRAFT ROOM:日曜大工が満喫できる
  • KITCHEN STUDIO:家族や友だちとホームパーティが楽しめる ※キッズスペース付き
  • SPORTS BAR:スポーツ観戦で盛り上がれる
  • ACTIVE ROOM:ヨガなどのアクティビティを楽しめる
  • BOOK LOUNGE:読書や宿題、仕事ができる
  • SORA TERRACE:屋上テラスで景色を見ながらゆっくりできる
  • 2棟のタワー棟の48階ラウンジ:レインボーブリッジや東京タワーなど、東京を代表するランドマークを一望

この他にも、6街区には水素エネルギーによって作られた電力を使う「ASHIYU LOUNGE(足湯施設)」もあるようです。

他にどんな共有スペースが用意されているのか、こちらも楽しみです。

ちなみに、どのマンションも1階は店舗や共用室となっており、住居は2階以上からとなっています。

マンションの1階にはマルエツなどのスーパーやコンビニも入るかもしれません。マンションの1階に24時間営業のコンビニがあるとすごく便利です。

環境やセキュリティ、電力効率化に配慮した最先端の街づくり

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」は「都市生活のフラッグシップ・モデルとなる街」を目指すだけあって、環境やセキュリティ、電力効率化に配慮した最先端の街づくりとなっています。

  • 各街区を専用の光ケーブル網で接続
  • 街全体にエリアネットワークによってつながる750台を超える防犯カメラを設置
  • 24時間365日、各街区に管理人もしくは警備員が常駐し巡回
  • 共用部や敷地内の各所に居住者向けのエリアWi-Fiを展開
  • 住宅だけでなく商業施設などと連携し、エリアネットワークを介して街全体のエネルギーを見える化して街全体でエネルギーを効率的に利用
  • 次世代エネルギーとして期待の高い水素を活用
  • 全住戸に家庭用燃料電池エネファームと蓄電池を標準装備
  • 全住戸にエアコン・照明・エネファームと連携するスマートHEMSを採用(外出先からエアコン操作などが可能)

この辺りも、街全体をゼロから作り上げるからこそ取り組める新しい試みだと思います。

最多専有面積が85平米と広い間取りが多い

ここ数年で建てられた都心の新築マンションは、建築費・人件費・土地の高騰のあおりを受け、価格はどんどん高くなる割には部屋はどんどん狭くなる傾向にありました。

10年前なら1LDKで55平米ほどある部屋は珍しくありませんでしたが、今は45平米と狭くなっており、55平米だと2LDKの部屋も多くなっています。

そんな部屋が狭くなる傾向の中、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」では最多専有面積が85平米と広い間取りが多くなっています。

現在公開されている間取りは3LDKや4LDKがメインとなっており、一番狭い部屋でも62.39㎡(2LDK)あります。(物件概要では61.06㎡が一番小さな部屋)

どの部屋もリビングのみに床暖房が付いていますので、冬になってもリビングにはホットカーペットやコタツは必要ありません。

また、柱が部屋の外にあるアウトフレーム工法となっているので、室内がスッキリします。

公式サイトでは多くの間取りが紹介されていますが、その中から3つほどピックアップしてみました。

5街区の3LDKの中住戸です。

1つ気になったのが、バルコニーに面していない洋室1と洋室3は窓があるのでしょうか?

公式サイトを見る限り、内廊下なのか外廊下なのかよく分かりませんでした。

外廊下なら小さな磨りガラスの窓が1つでもあれば、日中は多少の光は入ってきそうですが。

6街区のレインボーブリッジ方面の景色が眺められる中住戸・3LDKの間取りです。

リビングがワイドスパンとなっているので、この間取りは人気になるのではないでしょうか。

リビングと洋室3を1つにして、リビング広めな2LDKに変更しても良さそうです。(間取りの変更が可能なのかは分かりませんが。)

5街区と6街区のレインボーブリッジビューの部屋は、他の部屋よりも坪単価が高くなると個人的に予測しています。

新豊洲側の景色が見える4街区の中住戸の間取りです。4街区は専有面積が85.37㎡~152.10㎡と大きな部屋ばかりになっています。

中でも、上の間取りは全ての部屋がバルコニーに面しており、バルコニーのデザインも波を打っており人気となりそうです。

2019年5月販売の住戸はタワーマンションではありませんから、サッシ高(2100mm)も天井高(2500mm)も悪くない高さだと思います。

私が以前住んでいたタワーマンションはサッシ高が上の画像と同じ2100mm、天井高が10cmほど高い2600mmでした。

現在、晴海に建設中のタワーマンション「パークタワー晴海(三井不動産)」はサッシ高2300mm、天井高2600mmとハイスペック仕様となっていますが、タワーマンションと板状マンションの仕様を比べるのはナンセンスかもしれません。

この画像を見ると、板状マンションは内廊下ではなく外廊下のように見えます。

廊下の幅は通常のマンションよりも広い1.5メートルとなっていますので、車椅子と人がすれ違うことができるくらいゆとりのある廊下幅になっています。

2機のエレベーターの横にゴミ置き場が各階にあるので、ゴミ捨てで外に出る必要はありません。

エレベーターは17人乗り・13人乗りと大型エレベーターが2台あります。

部屋から見える眺望、特にレインボーブリッジ方面の景色がきれい

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」のレインボーブリッジ方面の景色は永久眺望となりますので、希少で資産性が高いと言えます。

通常、今現在どんなにきれいな景色が見えても、周辺に高層マンションや高層ビルが建ってしまい眺望がなくなると、資産価値は落ちてしまいます。

それだけ、部屋からの景色が未来永劫保証されているということは価値があります。

しかも、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」から見えるレインボーブリッジ方面の景色は、公園の緑、海の青、レインボーブリッジとまるで絵葉書のような景色なので価値が高いと言えます。

そのぶん、レインボーブリッジビューの部屋は他のビューの部屋に比べて坪単価が高くなることが予想されます。

私は同じく晴海に立つツインタワーマンション「DEUX TOURS(ドゥ・トゥール)」も完成後に内覧しましたが、夕方から夜にかけて内覧したこともあり、汐留方面の夜景がすごくきれいだった記憶があります。

オリンピック後に建つタワーマンションだったら、レインボーブリッジビューだけでなく、汐留方面が見える部屋もいいと思います。

「景色はすぐに飽きる」と言う人もいますが、海沿いの景色は天気によって空の色が代わり、それに応じて海の色も変化するので、天気や季節に応じて毎日微妙に違う顔を見せてくれます。

私は海が見えるタワーマンションに住んだことがありますが、景色が飽きるということは全くなく、「今日はどんな海の色が見えるのだろう?」と毎日楽しみでした。

板状マンション購入者でもタワーマンションの48階にあるラウンジを使えるというのは大きなメリットなのではないでしょうか?

タワー棟住民からしてみると、エレベーターが混雑したりなど、少し複雑かもしれませんが・・・。

こんなロマンチックな夕日を眺めながら生活できるのは羨ましい限りです。

レインボーブリッジは夜のライトアップもイベントや季節で色合いが変わるので、東京タワーのように変化する夜景を楽しめそうです。

分譲価格、坪単価はどのくらいになるのか?

以前から「選手村のマンションは今のマンション市況と比べるとかなり安く販売される」という噂はありました。

通常、マンション販売は1000戸でも全てを売りさばくのは大変と言われています。

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」は2019年5月に2棟のタワーマンション(全1455戸)を除く「全2690戸」が販売開始されます。

「販売戸数が桁違いに多い」「土地の取得価格が低い」「純粋な新築ではなく改修(リフォーム)マンション」といった要素から、都心マンションを格安で手に入れることができる最後のチャンスなどと言う人もいます。

NIKKEI STYLEの記事には、坪単価について以下のように触れている箇所がありました。

ある不動産関係者は「大量に売りさばく選手村の物件は坪270万~280万円とも言われ、坪350万円超で売られる周辺の物件が値崩れを起こす可能性もある」と指摘する。
三井不レジの野島部長は「数年かけて売る。価格はマーケットのかく乱要因にならないようバランスを見ながら考える」と説明する。

そこで、坪単価275万円(平米単価83.33万円)で部屋の広さごとのシュミレーションをしてみたいと思います。

部屋の広さ 坪単価 分譲価格
60㎡ 275万円 5,000万円
70㎡ 5,833万円
75㎡ 6,250万円
80㎡ 6,666万円
85㎡ 7,083万円
90㎡ 7,500万円
95㎡ 7,916万円
100㎡ 8,333万円
120㎡ 1億円
150㎡ 1億2500万円

通常、狭い部屋ほど坪単価は安くなり、広い部屋ほど坪単価は高くなるので、最多専有面積である85㎡を坪単価275万円とし、そこから部屋の広さごとに坪単価を調整してシュミレーションしてみます。

部屋の広さ 坪単価 分譲価格
60㎡ 255万円 4,636万円
70㎡ 260万円 5,515万円
75㎡ 265万円 6,022万円
80㎡ 270万円 6,545万円
85㎡ 275万円 7,083万円
90㎡ 280万円 7,636万円
95㎡ 285万円 8,204万円
100㎡ 290万円 8,787万円
120㎡ 310万円 1億1272万円
150㎡ 340万円 1億5454万円

これは私の個人的な予想ですが、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」はびっくりするほどの安い価格では出てこないと思われます。

というのも、安すぎる価格で売ってしまうと湾岸エリアのマンション価格下落のきっかけとなってしまいますし、現時点で広告費に多くの予算を投資しているからです。公式サイトもかなりお金をかけて作っていると思われます。

もし、市場予想を大幅に下回るような安値で売りさばくつもりなら、広告費はほとんどかけず、公式サイトもシンプルなものになっているはずです。

また、「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクトの沖有人さんの試算によると、オリンピック後に一般マンションとして販売するための一戸あたりのリフォーム費用が1200万円にもなるそうです。こうなると、ほぼ新築マンションです。

といっても、駅距離がそれなりにありますし、2019年5月に販売される住戸はタワーマンションではなく板状マンションなので、坪単価275万円前後というのは個人的にはいい線だと感じています。

ただ、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」は広い部屋が多いので、坪単価で見た場合に割安感を感じても、分譲価格で見たらそこそこの価格になるというパターンは多そうです。

ちなみに、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」のすぐそばで、中央清掃工場の月島側に立つ板状マンションの「晴海テラス」と「ザ・晴海レジデンス」で現在販売中の中古価格は以下のようになっています。

2018年11月30日時点
マンション名 階数 間取り 広さ 売出価格 坪単価
晴海テラス

2009年3月築
地上20階地下1階
378戸
勝どき駅徒歩10分

16階 2LDK 50.01㎡ 4,880万円 322.01万円
15階 3LDK 60.45㎡ 5,180万円 282.77万円
ザ・晴海レジデンス

2009年3月築
地上20階地下1階
438戸
勝どき駅徒歩10分

6階 2LDK 70.51㎡ 6,380万円 298.59万円

2019年には築10年になる板状マンションの中古価格がこれです。ただし、中古マンションの場合、売出価格は売主の希望価格みたいなところがあるので、実際にはもっと安い価格で成約することも少なくありません。

仮に、売出価格から10%OFFの価格で計算すると、上記3つの部屋の坪単価は上から「289.81万円」「254.50万円」「268.73万円」となります。

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」がどの程度の分譲価格で販売されるのかは現状では分かりませんが、価格次第では眺望や間取りなどで条件の良い部屋から初速でどんどん売れていく可能性は十分にあると個人的には思います。

販売直前には以下のような動画がネット広告やテレビCMなどで流れて、モデルルーム内覧者で晴海の街が賑わうのではないでしょうか?私もぜひ内覧したいと思っています。

そして、最大の宣伝効果はオリンピックです。オリンピック期間中はテレビで選手村が日本中に何度も放送されるはずです。

オリンピックまでに周辺の植栽がどの程度植えられているのか分かりませんが、雰囲気が良い街並みやレインボーブリッジ方面のきれいな景色が何度もテレビに映ったら、宣伝効果は抜群かと思われます。

買い替え予定がある人は、事前に不動産一括査定サイトで自宅がいくらで売却できるのか確認しておくといい思います。

自宅を高く売るには市況が良い時に余裕をもって売ることがコツとなります。

上で紹介した「晴海テラス」と「ザ・晴海レジデンス」の中古部屋も、もっと早く売り出していたら希望価格に近い価格で売れる可能性もあったかもしれませんが、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の販売が告知された今となっては希望価格で売るのは難しいと思われます。

早めに動いて時間に余裕があった方が有利に売却を進められますし、今現在の自宅の値段を知っておくことも大切になってきます。

交通網はBRT・路線バス(都営バス)・自転車

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の一番のネックになるのが駅遠ゆえの通勤&通学の交通網だと思われます。

4街区から最寄駅の「勝どき駅」までは5棟の建物の場所にもよりますが徒歩17〜21分。

5街区は徒歩17〜22分、6街区は徒歩20〜22分です。

電車以外の交通網だと「BRT(バス高速輸送システム)」「路線バス(都営バス)」「コミニティサイクル(自転車)」の3つの選択肢があります。

この中でも注目度が高いのが新交通システムとして期待されている「BRT(バス高速輸送システム)」です。

「BRT(バス高速輸送システム)」は2020年のオリンピック前からプレ運行され、2022年度以降に本格運行される予定です。

本格運行後の「BRT(バス高速輸送システム)」の運行時間は、新橋駅発で朝5時〜夜24時で検討されています。

朝の通勤・通学ピーク時には1時間あたり12本の便が走る予定です。

「BRT(バス高速輸送システム)」の車両は「水素を利用した単車バス(燃料電池バス)」や「大型の連節バス」が導入予定です。

「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」から「BRT(バス高速輸送システム)」に乗れば、新橋や虎ノ門まで乗り換えなしで通えます。

新橋駅は山手線・東海道線・京浜東北線・横須賀線、そして地下鉄の銀座線・浅草線が走っていますので、新橋駅まで出れば東京の主要エリアまで電車で行くことができます。

ただし、「BRT(バス高速輸送システム)」は電車と比べると、輸送力はやはり落ちます。

電車の運行人数は1時間あたり5000~6000人ですが、「BRT(バス高速輸送システム)」は1200~2000人程度です。

また、晴海の「BRT(バス高速輸送システム)」のバス乗り場は、中央清掃工場の東側になるので、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の5街区や6街区からバス停まで数分歩くと思われます。

ただ、路線バス(都営バス)のバス乗り場は「晴海埠頭」にあります。

上のマップは都営バスの路線図ですが、「晴海埠頭」や「ほっとプラザはるみ」で「都05-1」乗れば、「勝どき駅」「築地駅」「有楽町駅」を通って「東京駅」まで行くことができます。(黄色ライン)

このマップを見る限り、晴海埠頭が始発のようなので、座って通勤できそうです。

私は乗ったことがないので晴海埠頭から東京駅までどのくらいかかるのか分かりませんが、30分くらいでしょうか?

バスは景色を見ながら通勤できるというメリットはありますが、バス停で乗り降りがあるため、スピードは遅い印象があります。

「晴海埠頭」から「東京駅丸の内南口」へ向かうバスの時刻表(平日)です。

通勤時となる朝7時台に11本、8時台に12本の路線バスが現状で走っています。(5分に1本くらい)

職場が東京駅近辺なら、バス停乗り場を考えると、都営バスという選択肢もありそうです。

いずれにせよ、この駅遠ゆえの通勤&通学の交通網をどう捉えるかで、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の評価も個人によってかなり変わってくると思われます。

「駅近しか考えられない」という人には選択肢に入らない物件になると思いますし、「電車以外の交通網でも問題ない」という人にとっては中央区に安価で住める物件になるのではないでしょうか。

個人的には、平日は新橋・汐留・虎ノ門・丸の内といったオフィス街でバリバリ働いて、休日は「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」で海と緑の開放感を感じながら過ごすというのは、オンとオフの気持ちの切り替えができて悪くないと思います。

ただ、そうは言っても、もう少し交通網を改善してほしいというのが晴海にかかわらず、湾岸エリアに住んでいる人の思いだと思われます。

そこで期待されているのが地下鉄の延伸です。

湾岸エリアに地下鉄延伸はあるのか?

現在、「東京メトロ有楽町線(東京8号線)の住吉〜豊洲間の延伸構想」や「晴海駅を含めた都心部・臨海地域地下鉄構想」などがあるようですが、私は湾岸エリアには地下鉄の延伸は当面はないと思っています。

これは私の個人的な見解ですが、今後、東京で地下鉄の延伸があるとするなら、一番の候補は「品川駅」ではないかと思っています。(東京メトロ南北線と都営地下鉄三田線が走る「白金高輪駅」〜「品川駅」)

というのも、高齢化が進み、生産人口年齢(15〜60歳)が減る日本では、税収減などを補うためにインバウンド(海外旅行者)から得られる世界のマネーの獲得が重要になってきます。

また、国際金融都市を目指す東京都は、海外から優秀な人材を呼び込むために「品川」や「虎ノ門」に外国人向け住宅の整備に力を入れています。

さらに、今後は成田空港よりも都心に近い羽田空港が東京のメイン空港(海外からの玄関口)となるので、羽田空港国際線ターミナルから電車で13分ほどの品川駅が東京駅に次ぐターミナル駅として重要性が増してきます。

東京駅周辺はオリンピック以降も再開発が続きますし、品川駅も新駅(2018年12月4日に駅名が「高輪ゲートウェイ」に決定)をからめた再開発がオリンピック後も続きます。

さらに、品川駅は2027年にリニア中央新幹線が開業予定で、名古屋〜品川間を最短40分で移動できるようになります。

地下鉄・南北線は「六本木一丁目駅」に停車しますが、「六本木一丁目駅」から虎ノ門再開発エリアは徒歩圏内です。

「白金高輪駅」から「品川駅」に地下鉄延伸することで、オリンピック後も再開発が続く品川エリアと虎ノ門エリアへの動線ができます。

このような背景から、「品川駅」に地下鉄を延伸した方が経済効果や延伸の収支採算性は高いと思われます。

ただし、将来的に「カジノを含む統合型リゾート(IR)」が湾岸エリアに開業したら話は変わってくると思います。

先日、2025年の「国際博覧会(万博)」が大阪に決定し、経済効果は約2兆円と試算されています。

予定地である人工島「夢洲(ゆめしま)」は、万博と同時に「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の開業も目指し、地下鉄延伸を含めたインフラ整備が検討されています。

湾岸エリアにも「カジノを含む統合型リゾート(IR)」が開業すれば、インバウンドによる経済効果も見込め、交通網の整備も加速するきっかけになると思います。

オリンピックは6週間ほどで終わってしまうイベントですが、「カジノを含む統合型リゾート(IR)」ができれば継続的な雇用と収入が見込めます。

個人的には水辺の立地を活かし、シンガポールの「マリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)」のような施設ができてくれたら東京がもっと面白くなると感じています。

「カジノ」と言うと、日本ではギャンブル依存症が過度に注目されてしまいますが、「マリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)」のカジノ面積は全体の2%未満です。この2%のカジノによる収益でIR全体をカバーできるモデルとなっています。(日本のIR実施法案でもカジノ面積は3%以内となっています。)

また、アメリカのラスベガスも20年前はカジノの売上が7割でしたが、現在はホテルなどのカジノ以外の事業の売上が7割と逆転しています。

シンガポールや香港、そしてニューヨークやサンフランシスコと世界の主要都市で成長をけん引しているのはベイエリア(水辺の街)なので、湾岸エリアも住宅以外の魅力的な施設がもっとできれば、東京はさらに世界に注目される街となり、世界の人やマネーを呼び込める街になるのではないでしょうか。

東京オリンピック後も資産価値が上がる・保てる、資産価値が下がらないエリアやマンションの見極め方

2017年8月18日

不動産暴落論との付き合い方

私もよく読んでいるビジネス週刊誌2誌が、2018年12月初旬に2週続けて不動産ネタを特集しています。「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」にも触れているので、購入を検討しているなら読んでみてはいかがでしょうか。

「週刊ダイヤモンド」の特集が1週早かったせいか、「週刊東洋経済」は不動産暴落論をイメージさせるような内容となっています。

おそらく、1週早く出版された「週刊ダイヤモンド」との差別化として、「週刊東洋経済」はこういった角度から不動産を特集したのではないでしょうか?

また、日本に限らず、不動産暴落論ネタは注目を集めやすいので、雑誌が売れやすいという背景もあると思います。芸能ネタをメインに扱う週刊誌などがよく使う手法です。

不動産評論家の中には、不動産暴落論を自身のビジネス(収入源)にしているような人もいます。

そういう人に限って、自身のサイトで高額な電子書籍のようなものを販売しています。

「暴落論 → 怖がらせる(=思考停止にさせる) → 失敗したくないでしょ?損したくないでしょ? → なら、これを読んでね → 高額な商材」というロジックです。

株の世界でも、「日経平均株価は暴落する」と叫び続けている株式評論家が常にいますが、どんな業界にも暴落論をビジネスにしている人は一定数いるようです。

ただ、不動産は株式と違い、暴落が起こりづらい性質があります。なぜなら、多くの人は住宅ローンで購入しているからです。

住宅ローンで購入している以上、基本的に残債(住宅ローンの残り)以下の値段で売却できない構造となっています。残債以下の値段で投げ売ってしまうと住宅ローンの完済ができなくなるからです。

逆に、億ションと言われる高額マンションは住宅ローンを使わず現金一括払いする人も多いので、不況時にはボラティリティ(価格の変動幅)が高くなります。なぜなら、住宅ローンの残債というストッパーが効かないからです。

もちろん、需要がないエリアは徐々に地価が下落していくので、そういったエリアに立つ不動産はどんな価格帯のものでも下がるでしょうが、実需として需要があるエリアに立つ不動産の価格は硬いものがあります。

「実需として需要があるエリア」の代表は「職場に通いやすい場所」です。特に、東日本大震災以降、職住近接の需要が高まりました。

最近は共働きも当たり前になっているので、昔のように「結婚して寿退社」のような風潮はなくなってきています。その結果、女性も働き続ける人が増え、「職場に通いやすい場所」に立つ不動産の需要は高まっています。

なぜ、湾岸エリアにオフィスや商業施設ではなく、高層マンションがたくさん建ったのか?

それは、東京駅周辺のオフィスエリアに通いやすい場所だったからです。

今後、東京〜品川〜渋谷〜虎ノ門といったエリアは、大規模オフィスがどんどん竣工していきます。その結果、そのエリアで働く人も増えていきます。

そういった需要を飲み込むエリアなら、不動産価格は硬いと個人的には思います。

不動産暴落論はいつの時代もありますし、今後もなくなることはないと思いますが、あまり踊らされすぎないことも大切かと思います。

不動産暴落論に踊らされて思考停止になるくらいなら、無料ですし住まいサーフィンにでも登録して新築マンション購入の勉強をした方が生産的かと思います。どんなマンションが資産価値を保つのかなんとなく見えてきます。

追伸)2019年2月にHARUMI FLAGの建設地を見てきました

2019年2月半ばにHARUMI FLAGの建設地を見てきました。

詳細は以下に記事に書いています。写真もたくさん掲載しています。

写真で見る建設中のHARUMI FLAG(晴海フラッグ・オリンピック選手村)2019年2月半ば、周辺タワマン写真も掲載

2019年2月27日

関連・出典サイト

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です